ファッションアイテムとして不動の地位を確立してきたデニムに、環境破壊の懸念が強まっています。
1.原料(コットン)生産における環境汚染
2.染料による河川の汚染
3.マイクロファイバー汚染
4.二酸化炭素の排出による空気汚染
エシカルちゃんとホシカル君に解説してもらいましょう。
1.原料(コットン)生産における環境汚染
ジーンズの主要原料のコットンは、製造時に深刻な環境汚染を引き起こしています。
通常のコットンは灌漑で生産されていて、灌漑は非常に多くの水を使用します。
現地の人々の生活に直結する井戸水が枯れてしまったり、「アラル海の悲劇」のように巨大な湖が消えてしまうような事態も起きています。
農薬による環境汚染と生態系への影響も懸念されています。
綿花の耕作地は世界の耕作地のうちわずか2.5%です。
それに対して世界の殺虫剤の約16%、農薬全体の7%が綿花の畑に対して使われています。
2.染料による河川の汚染
繊維業界への監視が甘い地域では、染色と洗浄に使用される有毒化学物質(カドミウム、クロム、水銀、鉛、銅などの重金属)が川に直接排出され、回復不可能なレベルにまで環境破壊が進んでいます。
3.マイクロファイバー汚染
ジーンズの綿のような有機繊維は化学繊維ほど長く自然環境に残留せず、時間が経てば分解すると科学者や環境保護活動家は想定していましたが、現実はその想定を覆すものであることが分かってきました。
ジーンズを1本洗濯すると、なんと平均5万6000本もの繊維が放出されます。
これは、フリースジャケットを洗濯したときに放出される繊維の約10倍に相当するそうです。
下水処理場のフィルターに引っかかることなく通過するため、水路に流れ込んで海洋生物を危険にさらす可能性があります。
そして、トロント大学の研究によると、デニムのマイクロファイバーが全ての繊維の中で最も多く堆積していることが分かっています。
しかも、デニム繊維は遠く北極でも見つかっています。
4.二酸化炭素の排出による空気汚染
服飾業界全体の二酸化炭素排出量は、製造段階が最も多く、次に多いのが洗濯時です。
ある調査によるとおよそ37%が洗濯の時に排出されていると分かりました。
お湯を使った洗濯や乾燥機を使うと、よりCO2量を増加させることになります。
でもでもSDGs達成に向けメーカーも頑張っています!
・オーガニックやリサイクルコットンを使用する。
・ナノバブル・オゾン洗浄を可能にするウォッシュマシーン技術によって、従来に比べて水の使用量削減。
・従来のウォッシュ加工に使われていた天然の軽石に替わる、耐用年数が長くすり減らない人工石「エコストーン」を導入し、粉砕ゴミをなくし、洗浄回数を劇的に減らすことに成功した。
・ジーンズのユーズド感を出すため、これまで工場従業員の重労働になっていたやすりで削る色落ち加工に、レーザーを導入。
こんな企業の製品を買う事で環境が守られるのです。
リサイクルコットンの使用、天然軽石から人工軽石へ、色落ち加工にレーザーを使用するなどの動きもでてきています。
頼もしいね!