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前回の続き、セメントの話しです。
世界のセメント産業の二酸化炭素(CO2)排出量は、毎年28億トンにのぼっています。
「もの」を製造する際には非常に多くのCO2が排出されていることは、みんななんとなく感じていると思います。
具体的な数字や、なされている対策を知ることで、世界での取り組みから個人でもできる取り組みへと考えがシフトしていけたらな、と思います。
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日本で初めてのセメント製造がはじまったのは1875(明治8)年、政府直営の工場(江東区)でした。
150年後の今、人類が1年間で消費するコンクリート(家、道路、橋、高層ビル、工場など)は、41億トンを超えています。
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41億トンという量は人間によって全世界で排出されるCO2の4~8%に相当すると言われています。
パリ協定の目標を達成するには、セメントの生産によって排出されるCO2の量を2030年までに最低でも16%以上削減する必要があるのです。
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セメントをつくるには、まず「クリンカー(焼塊)」をつくらなければなりません。
セメントの材料となるクリンカーは石灰、粘土、石膏その他のさまざまな材料を混ぜ合わせ、1500℃程度の極度の高温で焼成し作られます。
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その際に大量のCO2が排出されるのです。
これに加え、窯の中でクリンカーの焼成が進むと石灰が酸化カルシウムに分解され、さらに多くのCO2が放出されます。
脱炭素化に向け様々な解決策が誕生しています。
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<脱炭素化に向けて取られている解決策の一部を紹介します>
➀コンクリートの硬化に二酸化炭素を使う。
産業現場から出たCO2を集めてコンクリートに注入し、化学反応によって炭化カルシウム、つまり石灰を生成させて固める技術です。
➁セメントに使用する石灰の量を減らす。
天然や合成のケイ灰石を含む粘土を増やすことによって、焼成温度を下げる方法です。
この方法では燃料の消費量とCO2排出量をそれぞれ30%削減できると言います。
硬化の工程で使用したCO2をそのまま完成品であるコンクリートに封じ込める技術を開発した企業もあるそうです。
硬化にCO2を使うことで、硬化工程で使用する水の量を90%以上も減らせます。
➂アルミノシリケートを豊富に含む素材をアルカリ溶液と反応させる。
コンクリートのように固いポリマーを製造する技術です。
ポリマーの生成には、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムなどのアルカリ活性剤のほかに、物質が生成される反応が起きる前の段階にある前駆体が必要になります。
ですが、この前躯体に建築や解体の現場で発生する廃棄物を利用することが出来ると考えられているそうです。
④レゴブロックに似たコンクリートブロックの製造。
レンガ型に成形されたコンクリートブロックを、セメントではなくカーボンファイバーや棒状の強化ポリマーによって強度を保ち、ボルトで補強して構造物をつくる技術です。
使い終わっても再利用できる特徴があります。
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建造物を解体して躯体部分を再び生かすなど、さまざまな取り組みがありますね。
このようにイノベーションを発揮して、持続可能な社会達成に向けたポジティブモノづくりが実装されていったら素敵ですね(^_-)-☆