今回はチョコレートの話しです。
日本で使われるカカオはどこから来ているか知っていますか?
その約8割がガーナからのものです。
日本とガーナはカカオ豆によって深いつながりがあります。
それに起因する森林破壊についても、日本にも責任があると言えそうです。
ガーナでは、過去30年間で森林の65%を失いました。
下の地図は2001年~ 2017年の17年間に確認された森林撹乱を赤く示したものです。
2022年には12,000ha(山手線の内側の2個分)以上の森林撹乱が確認されています。
過去4年間(2019年~2022年)を見ても、森林の約4.7%が失われているそうです。
カカオの生産地域はガーナ南西部の熱帯雨林が広がる地域と重なっていて、森林破壊と深い関係があります。
世界の2大カカオ生産地である、コートジボワールとガーナの森林破壊へ対処するため、両国政府と大手チョコレート企業12社が、「カカオと森林イニシアティブ(CFI)」を設立しました。
2019年には行動計画も発表し、西アフリカのカカオ農園の拡大による森林破壊を終わらせ、劣化した生態系の再生に取り組むことを期待されました。
しかし、両国の森林破壊は未だに続いていて、その取り組みは進んでいるとはいえません。
ガーナの森林減少の原因は、カカオ生産、商業伐採、鉱山の採掘活動と言われています。
特に、森林のカカオ農園への転換については、背景にカカオ農家が十分な収入を得られていないことがあります。
収入を増やそうとカカオを植え付けるために森林を切り開いてしまうのです。
えっ板チョコのお金はどこに行くの?
カカオの生産は、その多くが家族経営の小規模農家によって行われていて、彼らは国連の定める1日1ドル90セントという国際貧困ライン以下で暮らしています。
一方で、図のように板チョコの価格の35%はチョコレート会社に、44%が小売業者に渡るのに対して、カカオ農家にはわずか6%しか渡っていません。
また、カカオは先物取引で取引されるため、需給のバランス以外にも、投資の対象として価格が大きく変動します。
そのためカカオ農家は収入を増やすために、森林を伐採して新たなカカオ農園を開いたり、子供に農作業を手伝わせたりしなければならないのです。
今食べているものが、どのようなバランスのもとに供給されているのか、考えてみたいですね。